ブレンドの妙

ワインでは単一品種で瓶詰めするタイプと複数品種をブレンドして製品化するタイプがあります。前者はフランス・ブルゴーニュ地方などで多く、後者はボルドー地方などで採用されている製法です。ともにメリット・デメリットがあるのですが、丹波ワインが考えるブレンドの妙(アッサンブラージュ)の考え方をお知らせします。

単一品種はその品種や収穫年、土地や風土そのものがワインに反映されやすく、良くも悪くもわかりやすい特徴があります。品種の差は明確ですし、収穫年による差も明瞭になります。ただ、良質のぶどうばかりであれば問題ないのですが、自然相手の栽培では良い年ばかりではありません。
日本の場合は特に収穫時期に秋雨前線や台風の影響を受けやすく、毎年安定した品質のぶどうを確保することはなかなか難しい状況です。そこでお互いの弱点をカバーし、良い点を活かすことができるのが醸造法であったり、上記のアッサンブラージュ、いわゆるブレンドの製法です。

ブレンドしたワインは?

収穫年をまたいてブレンドするのはシャンパンなどでよくある製法ですが、丹波ワインでも収穫年をまたいでブレンドするワインがあります。
収穫年をまたいで同じ品種をブレンドすると、毎年ある程度安定した品質を保つことができるのが特徴です。
丹波ワインではずばり商品名のアッサンブラージュ、山雀などがあります。輸入原料を使用し、いつでも安定した品質のワインを楽しんでいただくために醸造しているワインです。

一方、同じ収穫年の異なった品種をブレンドするタイプもあります。ボルドーのワインなどがその製法を採用しています。異なった特徴を持つ品種をブレンドすることにより、お互いの特徴を活かし、弱点を補う効果があります。また単一品種と異なり、複雑性が増すため、味わいに深みが出るのも特徴です。
丹波ワインでは京都ワイン、小式部、すめらぎなどがそれにあたります。

京都ワインのブレンド

白はピノ・ブランのショイレーベをブレンドしています。ショイレーベのアロマティックな香り、ピノ・ブランのキレの良さなどが相まって、程よいバランスの取れた果実味あふれる中口白ワインに仕上げています。

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小式部のブレンド

白はデラウェアと甲州をブレンドしています。てぐみ白同様、果実感と後味の軽快感を狙って醸造しています。
赤はマスカット・ベーリーAとサンジョベーゼのブレンドです。いずれも軽めの赤ワインですが、果実味のあるマスカット・ベーリーAと赤でありながら軽快で上品な酸味のあるサンジョベーゼをブレンドすることによりミディアムライトボディの赤ワインに仕上げています。

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すめらぎのブレンド

白はシャルドネと甲州をブレンドしています。甲州はスッキリとした淡麗な味わいで余韻は短め、香りも穏やかです。一方、シャルドネは熟成とともに深みが増し、イキイキとした酸味と余韻の長さが特徴です。この2つをブレンドすると、あっさりしながらも酸味や余韻も程よくあり、バランスの良いワインになります。
すめらぎスパークリングワインは、根菜類全般との相性が非常に良いです。出汁の旨みの効いた筍の土佐煮や、シンプルに温野菜のサラダなどとも楽しんでいただけます。また、すめらぎ白ワインは、酢の物や酢醤油との相性が良いです。塩とレモンで食べる白身魚のお造りや、すぐき、フナ寿司など酸味の効いた料理とも楽しんでいただけます。
赤はメルロー、ブラッククイーン、マスカット・ベーリーAをブレンド。メルローはエレガントさと軽やかなタンニン、ブラック・クイーンは豊かな酸味とスパイシーな香り、マスカット・ベーリーAはフルーティーな香りと果実味が特徴です。この3つをブレンドすることにより、それぞれの良さ・個性が結びつき、ゆったりとしたタンニンと果実味がバランスよく備わります。特に2~3年熟成を経ると軽やかながら果実味や渋みがまろやかになり、まさにブレンドの妙を極めた赤ワインになります。料理との相性もよく、和洋折衷、最初から最後まで楽しめます。特に醤油ベースの調味料との相性が良く、煮魚やきんぴら牛蒡など少し油を使った料理と良く合います。

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