ピノ・ブランとは?
フランスアルザス地方やドイツ、イタリアなどで栽培が盛んな白ワイン用品種のピノ・ブラン。ドイツではヴァイス・ブルグンダー、クレブナー、イタリアではピノ・ビアンコなど色々な呼ばれ方をされる品種の一つです。アルザスではリースリングの影に隠れて少し地味な存在ですが、セパージュワイン(品種表示ワイン)の一つとして、ピノ・ブランはスティルワインからヴァン・ムスーやクレマン・ダルザス、スパークリングワインなど、実に様々なタイプのワインになっています。
元々は赤ワイン用品種のピノ・ノワールから変異した品種とされ、小粒で房が松かさのようなのでピノ(フランス語で松を意味する)と呼ばれ、赤品種は黒色になるのでノワール(黒)、白品種はグリ(灰)、ブラン(白)と果皮の色でそれぞれ呼ばれています。
ピノ・ブランを使ったワインは?
シャルドネやソーヴィニヨン・ブランほど品種の個性が全面に出てきませんが、甘口から辛口、スパークリングと様々なワインに変化する万能選手。比較的穏やかな個性が色んな料理との相性を良くしています。フランスアルザス地方では郷土料理のシュークルートと一緒に、辛口白ワインのデイリーワインとして楽しまれています。
日本のピノ・ブランは?
ピノ・ブラン、日本では寒冷地である北海道や山形で栽培が行われています。温暖な西日本で栽培しているワイナリーは非常に少ないですが、京都丹波では30年近く栽培し続けています。北海道や山形のピノ・ブランとは少し異なったキャラクターになるのが特徴です。
京都丹波のピノ・ブランは?
1980年代にドイツのガイゼンハイム研究所を通じて苗木を導入しました。当初はまだ丹波の風土に合った品種が定まっていなかったので、ショイレーベ、オスティナー、ルーレンダーなどの品種を栽培していました。中でもピノ・ブランやピノ・ノワールなどが丹波の気候風土でも育つことが分かってきたので、注力して栽培を始めました。
現在、京都丹波の自社農園では植栽面積約50アール、約1000本のピノ・ブランを栽培しています。果皮が薄く、降雨による病気が蔓延しやすいため、スタッフが毎日農園を歩き回り、少しでも病気の兆しを見つけたらすぐに防除していきます。日々の農園見回りを欠かさず小さい内に病気を治してやるのが大切。人間も同じですよね。
収穫時期は比較的早めで、8月の後半から9月上旬に全量を収穫します。最近ではを京丹後市で契約栽培をしていただいている藤原さんにもピノ・ブランを栽培し始めてもらっています。
丹波ワインではピノ・ブランだけを使った樽発酵、樽熟成、シュール・リータイプと、一部にショイレーベをブレンドする二タイプを醸造しています。シュール・リーは端麗な辛口で、余韻の微かな苦みと酸味が全体を引きしめています。ショイレーベをブレンドするピノ・ブランは、樽を使わずに少し果実の甘さを感じていただける仕上がりにしています。鰹と昆布のお出汁や野菜の炊合せなどとの相性が抜群です。京都の老舗料亭でも使っていただいているワインの一つで、コース料理の最初から最後までピノ・ブランで楽しまれるお客様もあるとか。是非一度ご家庭でも気軽に料理とお楽しみ下さい