おいしいワインはおいしい葡萄から。
ぶどうの品質こそがワインの味わいに一番影響を与えます。
その大切なぶどうを作っていただいている農家さんをご紹介します。
ワイン造りを 支えてくださる生産者(佐藤 和之さん)
長野市内から車で30分。南北に流れる千曲川から東へ約1kmのところに佐藤さんが経営する佐藤果樹園があります。果樹園ではワイン用ぶどうをはじめ、生食用ぶどうやリンゴも栽培しておられます。志賀高原や妙高山に囲まれ、年間の降水量が少なく、標高は400m。寒暖の差が大きく、果樹の栽培には非常に適したエリアといえます。
佐藤さんは20年以上前からぶどう栽培を行っており、最初はサラリーマンと兼業しながらお父様の仕事を手伝い始めたそうです。そのころは生食用ぶどうが中心でしたが、徐々にワインの魅力にひかれ、今では脱サラし栽培に専念。
高山村に所有する農地では「作物の出来が違う」ことを実感し、2005年にシャルドネなどワイン専用品種の栽培を開始。2006年に高校の同窓生・涌井一秋さんとともに高山村ワインぶどう研究会を立ち上げ、新品種導入に向けて試験栽培も行っておられます。現在の主な栽培品種はメルロー、サンジョベーゼやシャルドネ、アリアニコなどで、長野の地に合う品種を今も探し続けているそうです。
丹波ワインとの出会い
丹波ワインとの出会いは2014年。
自分で栽培したサンジョベーゼを何とかワインにしてもらえるところがないものかと探していたところ、エレガントで上品にしあがっている丹波ワインのサンジョベーゼを飲み、ここでワインを作ってほしいと持ち込まれたのが始まりです。丁寧に栽培された粒よりのサンジョベーゼで、タンニンは控え目ながらもバランスの良いミディアムの赤ワインに仕上げることができました。京都丹波のサンジョベーゼと比べると冷涼な気候の元で育ったことが良くわかる味わいになっています。
ぶどう品種は非常に繊細なため、毎日改善を行っています。農薬をできるだけ使わず、有機肥料のみでの栽培をしているため、楽ではありませんが、良い作物ができた時には天候や土に感謝し、来年も頑張ろうと思えます。そんな一年を経て収穫できた作物で喜びの声をいただいた時には、本当に嬉しいです、と佐藤さん。
世界の長野を目指す
「自社で接ぎ木苗を栽培されている珍しい丹波ワインさん。チャレンジ精神のあるワイナリーだと思いますので、今後も長くお付き合いしていきたいです」と丹波ワインに対してもありがたいお言葉。
長野県が日本ワインの一大産地の1つであることは間違いないことですが、佐藤さんの頭の中には「世界の長野」があるようです。