想像を超えるおもてなし
2015年に京都高瀬川沿いで始めたバーは、今や世界各国から注目を集めている。
古いフランス語であるイリュージョニストや手品師を意味する「レスカモトゥールバー」は建屋や店内の不思議な雰囲気だけではなく、スタッフ自らが楽しみ、楽しませることに徹してる。
L’EscaMoteur オーナー Christophe Rossiさん
今や京都一、いや日本一評判のバーといっても過言ではない。アメリカの口コミサイト「Yelp」が2019年発表した外国人に人気の京都スポットベスト30では、伏見稲荷大社や清水寺など名だたる神社仏閣を抑え、堂々の第1位を獲得。ワールドベストバーでは五つ星。フランス・マルセイユ出身のクリストフ・ロッシさんが経営する「レスカモトゥール」だ。
昔のフランス語で「イリュージョニスト」や「手品師」を意味する店名の通り、古い煉瓦造りの薄暗い階段を上がると、レトロなヨーロッパ映画のセットのような不思議な空間が現れる。天井や壁には本やハット帽、自転車の車輪やフラスコなどが。百年前にタイムスリップしたような錯覚に陥る。
そんな魅惑的な空間で楽しめるのが生ワイン。サーバーから直接グラスに注がれる生ワインは、フィルターを通していない酸化防止剤無添加のスパークリングワイン「てぐみ」。サーバーから直接注ぐということもあって、泡の立ち方が非常にきめ細やか。酵母の香りも豊かでクリーミーなスパークリングワインになるのだ。海外の常連さんの中にはこのワインだけを飲みに来る方や、とりあえずはビールの代わりに生ワインを頼まれるお客様も多いとか。
オーナーのクリスさん。幼少のころから空手を学び、アジアや日本に関心が高く、20歳でインドへ渡り、そして日本へ。知人のビストロを手伝っているうちにバーへの想いを強くしたそう。
「本当に色んなバーに行きました。39歳になってからいざ自分でお店をオープンすると他の人よりも何十倍も勉強しないといけない」
カクテルやお酒が美味しいのは当然のこと、このバーの本当の魅力はミステリアスな空間そのものと、そこで沸き起こる仕組まれた数々のハプニング。ここは、クリスさんのマジックとカクテルが見事に融合したシアターなのだ。
昔、バーの役割は、お酒で体の不調を改善して元気になるための場所でもあったそう。クリスさん曰く、バーのコンセプトは「マジック」「調合(カクテル)」「薬」「お酒」の4つ。これらすべてを体感して元気になって店を出てもらう、そんな接客を心掛けているという。
「スタッフ全員で毎日新しいアイデアにチャレンジし、変化を楽しんでいます。スタッフが楽しまないとお客さんも楽しくないはずです」とクリスさん。
2020年には英国パラグラフ・パブリッシング社主催のアワード「アイコンズ・オブ・ジン」で受賞。これを機に、クリスさんの中で新たなパッションが躍動を始めている。
百聞は一見に如かず、京都に来られた際はぜひ立ち寄ってみてください。あなたも必ずレスカモトゥールの虜になるはず。
このお店が推薦する丹波ワイン
L’ESCAMOTEUR BAR
カウンター8席、テーブル4席
【営業時間】
20:00〜2:00
【定 休 日】
月曜日
【所 在 地】
京都府京都市下京区斎藤町138-9
【電 話】
075-708-8511
【ご 予 約】
可能
【w e b】
https://www.facebook.com/profile.php?id=100054534966381