料理と酒の相性を追求する料理人
JR平塚駅から南へ歩くこと15分。玄関を入り奥に進むと幅の広い立派な木製の階段が迎えてくれます。階段を上がり、格子の扉を開けて店内に。真っ先に目に飛び込んでくるのは広々としたL字型のカウンター。ゆったりと腰掛けられる椅子。贅沢な空間が広がります。
「和食のお店なので輸入食材は使わず、国産の食材を使うようにしています。」と語るのは猪俣潤一さん。
1965年、猪俣さんのお父様が平塚市内で天ぷら屋として創業。その後市内を2度移転、平塚海岸にほど近い現在の場所で天ぷら割烹として「天一坊」を営む二代目ご主人です。猪俣さんのこだわりは食材だけに留まりません。お店で提供する酒類も日本酒、焼酎は言うに及ばず、ワインも日本ワインのみという徹底ぶり。
そんな猪俣さんの料理と酒に対する考えは、「料理と酒はマッチングが命。」とシンプル。
「酒が主張し過ぎると料理とのバランスに欠けます。特に和食は難しい。ワインに関して言うと、果実感に富み、押し出しの強いワインはワイン単体で飲んで美味しいと感じますが、全てが和食に合うとは思いません。むしろワインとしては少し弱いかなと思える位の方が食事とマッチする。和食では特に感じることです。」と料理とワインの調和に関して一家言お持ちです。
猪俣さんと丹波ワインとの出会いは、同業の飲食店さんより和食に合うワインとして紹介して貰ったのがきっかけ。
「初めて口にした時、主張し過ぎず重すぎない。和食とのマッチングに優れたワイン。さすが食材の宝庫と言われる丹波で醸されたワインだと感心しました。ワインが和食に寄り添い引き立て、料理がワインの良さを引き出す。」特にお気に入りの1本を尋ねると、「丹波鳥居野ピノ・ブランシュールリーは、夏場のしっかりした味わいの穴子の天ぷらとの相性がとても良い。脂の旨みと穴子の食感が、さっぱりとしているが味わい深いピノ・ブランとよく合います。店では脂の乗った腹の部分は天つゆで、尻尾の部分は塩でお出ししていますが、何れともよく合いますね。」とお薦めいただきました。
その他、「丹波鳥居野シャルドネ」、「丹波鳥居野カベルネ・ソーヴィニヨン&メルロー」、「丹波鳥居野シャルドネ」も常連のお客様はじめ好評を頂いているそうです。
天一坊さんではコースの中に天ぷらの他、四季折々の旬の食材を使ったメイン料理があり、春は京都から取り寄せた筍を丸ままオーブンで2時間焼いた「筍の丸焼き」、夏は鱧料理、秋は松茸、冬はセコガニや丸鍋(スッポン)などで、それらを楽しみに来店されるお客様も少なくありません。天ぷらは元より旬の食材を使ったお料理とお酒、それらは日本産というキーワードで括られており、料理と酒が互いに高め合う。そんな料理と酒の相性を追求する料理人、それが猪俣さんなのです。
このお店が推薦する丹波ワイン
天ぷら割烹 天一坊
カウンター 9席 / 個室 6席
【営業時間】
昼: 11:30~13:00 (ラストオーダー)
夜: 17:30~20:30 (ラストオーダー)
大晦日 12:00〜17:00
【定 休 日】
日曜日
【所 在 地】
神奈川県平塚市龍城ケ丘8-3
【電 話】
043-35-5678
【ご 予 約】
要予約