北河内に根ざした料理人
「地元のお客様がわざわざ京都や大阪まで足を運ばなくても、美味しい料理を地元で楽しんでいただける。そういう店をしたくて。」と語るのは大阪・京阪枚方市駅から少し離れた目立たたない場所にひっそりと佇む大垣内和魂のご主人松宮隆徳さん。いつも通っていただくお客様に迷惑がかからないようにと、メディアの取材は今まで一度も受けたことがないという、知る人ぞ知る日本料理のお店だ。今回「丹波ワインさんのお願いなら。」と特別に取材を承諾いただいた。
大阪府交野市に生まれ、実家が仕出し屋という日本料理が身近にある環境で育ち、料理人を志すのは松宮さんにとって自然のことだった。調理師学校卒業後、大阪の有名料亭で8年間勤務。全ての部門を担当し料理人として貴重な経験を積み、2006年7月に独立し大垣内和魂を開業。まもなく今年で開業12年を迎える。
松宮さんが一番大切にしていることは、「良い食材を仕入れて、ごまかしのない良いものを提供する。」「季節の旬のものをお客様に美味しくいただいてもらう。」とシンプル。そのために仕入れ先・造り手のもとへ足を運ぶ事を欠かさない。特に日本酒は直接蔵元で吟味したものを業務用大型冷蔵庫で2年~10年熟成させている。その数常時120本以上。そして松宮さんが自身の作る料理に合うように熟成した日本酒をその都度選び、店で提供するのだそうだ。このこだわりは日本酒に限らず焼酎や泡盛でも。10年古酒を更に甕で10年以上寝かせるなど徹底している。
これほどまでに酒の熟成に拘りのある松宮さんが、1年ほど前に出会ったのが京都のあるイタリアンで飲んだ「てぐみデラウェア」。その旨味たっぷりのフレッシュ感に衝撃を受けたのだそうだ。それ以来てぐみデラウェアを使っていただいているが、てぐみのフレッシュ感溢れる味わいと、熟成酒との対照の妙がお客様に好評なのだそうだ。特におすすめのマリアージュは余分な脂を落とした鱧を、温かいままちり酢で食す鱧の落とし。てぐみのさっぱりした飲み口と鱧の適度な旨味との相性がよく、特におすすめなのだそうだ。
また松宮さんのもう一つのお気に入りのワインが「丹波鳥居野ピノ・ノワール」。「味わいの優しさが日本料理との幅広い相性に繋がっています。肉でも魚でも合わせることができ、特に脂がさっぱりしている初旬の天然ウナギの蒲焼とは良く合います。」
松宮さんは最低でも月に1度はスタッフ全員で生産者の元を訪ね、生産者との交流を図り、現場の空気を肌で感じ、情報収集するなどの努力を怠らない。先日も九州まで器の産地をスタッフ全員で訪問し勉強をしてきたとか。
料理に向き合う真摯な態度はもちろん、生産者の思いをお客様に伝えたり、少しでも喜んでいただけけるための努力を惜しまない。誠実で謙虚でまじめを絵に描いたような人柄が、穏やかに丁寧に語る様子からも感じられる。地元のお客様に愛される店を目指すという思いはブレることなく、更にグレードアップしていくことであろう。地元の方が羨ましくなる素敵なお店である。
このお店が推薦する丹波ワイン
大垣内和魂
カウンター6席・テーブル10席
【営業時間】
昼 11:30~14:00(LO.13:30)
夜 17:30~23:00(LO.22:00)
最終入店 21:00
【定 休 日】
月曜日
【所 在 地】
枚方市大垣内町2-8-10 宮村三甲ビルB1F
【電 話】
072-843-1919
【ご予約】
要予約
【Web】
https://nishimurayaofficial.amebaownd.com/