台風急接近の京都上賀茂。
御薗橋にしむらやさんで「鱧づくしとワイン会」と題して、脂ののった一番美味しい時期の鱧とワインのマリアージュを楽しむ会を開催させていただきました。
最初から最後まで鱧を使った料理と1品1品にグラスワインをあわせていくという趣向です。
まずは1品目、前菜。
いつもマリアージュイベントを開催するときに一番悩むのがこの前菜や八寸。
洋食ではアペリティフとしてつまみ感覚でスパークリングやペティアンなどの微発泡ワインなど酸味を効かせたワインで食欲を増進させるのが目的。
が、和食では色んな味の要素を旬のものとして目と舌で楽しめせる要素が強く、合わせるワインを絞り込むのに苦労します。
今回も苦労しました。
鱧と旬のサラダプレート
鱧の炙りとスモークを加えた新感覚の低温調理
梅バルサミコソース
という内容盛りだくさんの前菜。
味わいも舌の前後左右上下までも刺激するマルチ前菜。
和食の料理人で低温調理ってなかなか行いませんが、進化系にしむらやさん、新しい料理法にどんどんチャレンジしておられます。
印象的な梅バルサミコソースと茗荷と鱧の炙りが酸味と酵母の複雑味、マスカット・ベーリーA特有のボディ感とよくあいます。
てぐみマスカット・ベーリーAをあわせていただきます。
2品目は椀ものとして鱧真薯大黒しめじのお吸い物。
通常椀ものは鰹と昆布出汁ベースなのでデラウェアが鉄板マリアージュワインなのですが、鱧の出汁を効かせ、かつ大黒しめじの味わいが加わっているので少し膨らみのある丹波鳥居野ピノ・ブラン2015と合わせていただきました。
3品目は鱧落とし帆立と柿のタルタルと共に。
これには丹波鳥居野シャルドネ2015をあわせます。
柿と帆立の甘みがシャルドネをよりいっそう果実感あふれるワインに変化させ、ワインが美味しくなる逸品。
柿と樽をつかった白ワインの相性、ほんとにいいですね。
4品目は鱧のあられ揚げ大地のスープとの出合いもの。
合わせるワインは丹波鳥居野ピノ・ノワール2015。
あられ揚げの香ばしさとじゃがいものクリーミーなスープにほんの僅かなカラスミの塩分と苦味が軽めのピノ・ノワールにベストマリアージュ。
カラスミとワイン、なかなかおもしろい組み合わせです。
5品目は鱧のビスクと旬の野菜の競演。
合わせるワインはマスカット・ベーリーA2016。
メインでありますが軽めに赤、マスカット・ベーリーAとの相性がベストマッチ。
写真を見てもおわかりかと思いますが、もう既に和食ではありません。
が、鱧の出汁を効かせているので、後味や余韻は和を感じる不思議な一品です。
6品目は赤ワインの鱧箱寿司、7品目は鱧のお出しそうめん、そしてデザートは真珠もち。
箱寿司にはデラウェア2016、そうめんには丹波鳥居野ピノ・ブラン2016、真珠もちには丹波鳥居野セミヨン2012をそれぞれグラスワインで楽しんでいただきました。
今回は鱧がテーマでしたが、全体的にピノ・ブランとの相性がよく、最初から最後までも外れのない丹波鳥居野ピノ・ブラン。
2015年と2016年の比較試飲も楽しんでいただきました。
雨の中ご参加頂きました皆様、ありがとうございます。
そしてにしむらやさん、ありがとうございました。
我々スタッフも楽しませていただきました。
また次回も旬の食材とワインを楽しむ会を開催いたしますのでお楽しみに!
文:黒井・坂本
鱧づくしとワイン会開催いたしました
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