Pinot Noirのベレゾン始まりました!

京都丹波のピノ・ノワールの色づきが始まりました。
平年より1週間ほど早めの着色です。
収穫も今年は少し早まりそうで、早生品種は8月お盆過ぎ辺りから始まりそうです。
これから収穫までは長雨が来ないことを祈るばかりです。

雨対策として丹波ワインではレインカットという施設と、フルーツゾーン(ぶどうの房が実るゾーン)にビニールをかける方法を採用しています。
病気は水分を伝って伝染していくので、収穫までできるだけ房に雨をかけないのがポイントとなります。

生食用の棚仕立のぶどうなどは1房ずつ袋に入れていきますが、ワイン用は垣根仕立のため、フルーツゾーンにビニールをかけるのが効果的です。特に赤ワイン用品種などは紫外線による着色も促しますので、太陽光もしっかりと房に当てたいところです。

オンラインショップとワイナリーショップでは京都丹波ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020を発売中です。

2023年12月には海外ワインジャーナリストが取材に来られた際に、このワインもテイスティングしていただきました。
Jamie Goode氏のコメントを記載しておきます。

Tamba Wine Pinot Noir Vieille Vignes 2020 Kyoto, Japan
This is from older vines, and it has a sense of beauty and elegance. Fine, fresh, pure red cherry fruits with a touch of raspberry, and delicate herbal hints. Lovely palate weight: this is fresh and fine with some spicy detail. Has a lightness, but also some richness: there’s great balance here. Very fine. 94/100

【Jamie Goode氏プロフィール】
ジェイミー・グッドは植物生物学の博士号を取得してキャリアをスタートさせ、現在は国際的に知られるワインライター、講演家、講師として活躍しています。2005年からイギリスの全国紙『The Sunday Express』のワイン・コラムニストを務め、『Wine Science』、『Authentic Wine』、『I Taste Red』、『Flawless』などの著書があります。また、インターナショナル・ワイン・チャレンジの共同チェア審査員も務め、インスタグラム(@drjamiegoode)とX(旧ツイッター)(@jamiegoode)、1999年からwineanorak.comで、世界中のワインの最新情報やテイスティングコメントを発信しています。


 

京都丹波ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

京都丹波の圃場で栽培した樹齢30年以上の古木のピノ・ノワールを1房ずつ手摘みし、木樽で19ヵ月間熟成させました。落ち着いた果実味と上品な樽香、タンニンに由来するほのかな渋みを感じることができます。
8800円


基本情報

  • 葡萄収穫年 2020年
  • 醸造本数  2550本
  • タイプ   赤ワイン
  • 味わい   ミディアムボディ
  • 容 量   750ml
  • 葡萄品種  ピノ・ノワール
  • 葡萄産地  京都府船井郡京丹波町
  • アルコール 13%

テイスティングコメント

透明感のある明るいルビー色。輝きがあり清澄度良好。粘性は強め。
香り ボリュームは強め。ラズベリー、アメリカンチェリー、ストロベリー、ブラックベリーなどのフルーツ香豊かで赤いバラも感じられる。グラスを回すとグローブやバニラ、トーストしたパンなどの香りも感じられるが樽香は控えめ。
柔らかいアタックでスムーズな口当たり。果実味は豊かでやや強めの酸だが、丸みを帯びている。タンニンは中程度でキメが細かく滑らかでシルキー。よくこなれている。アルコールもやや高めで、豊かで柔らかなストラクチャーを形成している。柔和なイメージだが果実の凝縮感もあり厚みのあるスタイル。
総評 2020年の好天に恵まれたビンテージの特徴が表現されたミディアムボディの辛口。フィニッシュは長め。肉料理全般に幅広く相乗するが、羊やジビエなどと合わせたい。

フランス語で「樹齢の高いブドウ樹」という意味のヴィエイユ・ヴィーニュ。「Vieille Vigne」や「V.V.」などとワインのラベルに表記されているこの言葉は、古樹のブドウから造られたワインであることを意味します。植樹してからその土地の気候風土になじみ、樹木が充実してくると、その実にも影響を与え始めます。京都丹波では15年目頃から品質が安定しはじめました。このようなブドウから造り出されるワインは、旨味溢れる滋味深い味わいになると言われています。

ヴィエイユ・ヴィーニュの魅力

ヴィエイユ・ヴィーニュのラベル表記に関しては、フランスでは大体30〜40年以上の樹齢のものを指します。しかし、実際その樹齢が古樹と呼ぶにふさわしいかどうかは生産者によって意見が異なり、特に明確な表記基準はありません。ブルゴーニュやシャンパーニュをはじめとするフランスの一流ワイン生産者の間では古樹に対して強いこだわりを持つところも多く、古樹のブドウから非常にクオリティの高いワインが生み出されています。

凝縮されたブドウから生み出される旨味溢れる味わい

通常ブドウの樹は、植樹してから約3年でワイン造りに使うことができる実を付け、寿命は約120年ほどと言われています。樹齢 を重ねるごとに結実が安定し、20年目当たりからは樹勢が落ち着きます。地中深くに張り巡らされた木の根から吸い上げられた地中の水分やミネラルなどの栄養分も十分に行き渡ることとなります。その結果、古樹には若樹に比べて複雑なミネラルや養分が蓄積された、凝縮したブドウが実ります。
また、根を地中深くに這わせるには地層の深さや種類、気象条件など様々な要素が揃うことが重要。こうした要素を満たした産地のヴィエイユ・ヴィーニュのブドウから造り出されるワインは、複雑味やミネラル感、凝縮感が備わった、旨味に溢れる滋味深い味わいとなるのです。

ピノ・ノワールとは?

フランスブルゴーニュ地方が原産といわれている品種。ドイツではシュペート・ブルグンダー、イタリアではピノ・ネロと各国や各地方によってシノムニ(呼び方が複数ある名前)が存在し、今やカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネについで世界各国で栽培されている赤ワインを代表する品種の1つと言われています。
ピノ・ノワールの最大の特徴は、なんといってもその品種の個性である繊細さとエレガントさ。繊細であるがゆえに、その土地の気候風土、テロワールを反映しやすく、日本に限らず世界各国のワイナリーが個性を出すためにチャレンジし続けています。産出されるワインのほとんどがブレンドではなく単一で醸造されるため、良くも悪くも猶更テロワールと作り手の個性がワインに反映しやすいといえます。小粒で房が松かさのようなのでピノ(フランス語で松を意味する)と呼ばれ、赤品種は黒色になるのでノワールと呼ばれています。

ピノ・ノワールのワインは?

赤ワインとしてはメルローネやカベルネ・ソーヴィニヨンほどタンニンと呼ばれる渋みと果実味、濃い色などは全面に出てきませんが、グラスをスワリングすると沸き立つ香と、奥ゆかしさが最大の魅力です。比較的穏やかな個性がブッフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)や生ハム、ジビエなど色んな料理との相性を良くしています。またシャンパーニュではブラン・ド・ノワールという赤ワイン用品種で作るシャンパンなども醸造されています。



 

ピノ・ノワールのワインは?

そんなピノ・ノワール、日本では寒冷地である北海道で最近は栽培が非常に盛んです。温暖な西日本で栽培しているワイナリーは非常に少ないですが、京都丹波では三十年以上栽培し続けています。北海道のピノ・ノワールとは少し異なった温暖なエリアで育った酸味がまろやかで香り豊かになるのが特徴です。

京都丹波で栽培する

1980年代にドイツのガイゼンハイム研究所を通じて苗木を導入しました。当初はまだ丹波の風土に合った品種が定まっていなかったので、ショイレーベ、オスティナー、ルーレンダーなどの品種を栽培していました。中でもピノ・ブランやピノ・ノワールなどが丹波の気候風土でも育つことが分かってきたので、注力して栽培を始めました。
現在、京都丹波の自社農園では2カ所に合計60アールの植栽面積、約千本のピノ・ノワールを栽培しています。果皮が薄く、降雨による病気が蔓延しやすいため、スタッフが毎日農園を歩き回り、少しでも病気の兆しを見つけたらすぐに防除していきます。近年は様々な台木品種と接ぎ木を試験栽培し、更に品質の良いワイン作りを目指しています。
収穫時期は比較的早めで、9月上旬には全量を収穫します。樹齢も30年を超え2018年は古木だけを使ったピノ・ノワールを作りました。まだ固さ はあるものの、幅広のグラスに注ぐと濃厚なチェリーや下草を思わせる香と、まっすぐ芯の通った果実味とタンニンがバランスよく、これから熟成も 楽しみなワインです。
京都の老舗料亭やフレンチでも使っていただいているワインの一つで、コース料理の最初から最後までピノ・ノワールで楽しまれるお客様もあるとか。是非一度ご家庭でも料理とお楽しみください。

京都丹波ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 2020

オンラインショップ会員様限定販売
京都丹波の圃場で栽培した樹齢30年以上の古木のピノ・ノワールを1房ずつ手摘みし、木樽で19ヵ月間熟成させました。落ち着いた果実味と上品な樽香、タンニンに由来するほのかな渋みを感じることができます。
8800円


基本情報

  • 葡萄収穫年 2020年
  • 醸造本数  2550本
  • タイプ   赤ワイン
  • 味わい   ミディアムボディ
  • 容 量   750ml
  • 葡萄品種  ピノ・ノワール
  • 葡萄産地  京都府船井郡京丹波町
  • アルコール 13%

テイスティングコメント

透明感のある明るいルビー色。輝きがあり清澄度良好。粘性は強め。
香り ボリュームは強め。ラズベリー、アメリカンチェリー、ストロベリー、ブラックベリーなどのフルーツ香豊かで赤いバラも感じられる。グラスを回すとグローブやバニラ、トーストしたパンなどの香りも感じられるが樽香は控えめ。
柔らかいアタックでスムーズな口当たり。果実味は豊かでやや強めの酸だが、丸みを帯びている。タンニンは中程度でキメが細かく滑らかでシルキー。よくこなれている。アルコールもやや高めで、豊かで柔らかなストラクチャーを形成している。柔和なイメージだが果実の凝縮感もあり厚みのあるスタイル。
総評 2020年の好天に恵まれたビンテージの特徴が表現されたミディアムボディの辛口。フィニッシュは長め。肉料理全般に幅広く相乗するが、羊やジビエなどと合わせたい。