秋から春にかけて丹波では夕方日が沈むとジワジワと霧が闇夜を包み始めます。
夜中に車を走らせると前方100mの視界が悪くなるくらい濃くなる時もありますが、ぶどう農園を包み込む早朝の霧は幻想的です。
朝日がジワジワと隙間から差し込んでくるのですが、ぶどうの木々にまるで後光がさしているかのようです。
京都の亀岡から兵庫県丹波市にかけてのエリアでは昔から放射冷却で地表と上空の温度差で霧が発生しやすく、ここ丹波も高原でありながら周りを山で囲まれている盆地のため、よく晴れた日の夜は瞬く間に濃霧に包まれたりします。
イタリアピエモンテではこの霧(nebbia)が語源となった品種ネッビオーロが有名です。
ぶどうの開花した様子が白い濃霧が立ち込めたよう、ぶどう粒の表面を蝋粉が白く覆って霧のよう、霧の多い晩秋に収穫時期を迎えるから、などなど名前の由来には諸説あるようですが、丹波ワインも霧の中でネッビオーロを栽培していますが、なかなか難しくワインに仕上げるまでに至っていません。
丹波エリアは昔からお茶の栽培でも有名な地域で、この霧が紫外線を弱め、渋み成分であるカテキンの生成を弱め、代わりに甘み成分であるテアニンを産出しやすくするそうで、隠れたお茶の銘茶地だそうです。
さすがに霧茶(むちゃ)、なんていうのがお茶の品種や商品にはなってないようですが…。
文:黒井
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丹波霧
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